トリック劇場版 犯人トリックよりも手品トリックの方がメイン
元は2000年にテレビドラマで放送され、かなり好評だったようで2年後くらいに第2シリーズの放送が開始。
その第2シリーズが終わったあとにこの映画が上映され、現在は劇場版は4本出ている。
仲間由紀恵、阿部寛が演じるメインの2人もそうだが、それ以外の登場人物もなかなかアクが強い人物ばかり。
でもそこが人気の理由の1つだろう。
実際面白かったし。
レンタルDVDには『この映画を楽しむための10ヶ条』なるものがあった。
あれを見てある程度楽しめない人はこの作品を楽しめないかもしれない。
そんな感じのノリの映画だから。
あらすじ
主人公の山田奈緒子(仲間由紀恵)は、有名なマジシャンだった父を目指している売れないマジシャン。
小さいステージでショーをこなしているが仕事がないため貧乏暮らし。
さらに住んでいるアパートからも追い出されそうになっている。
そんな時に、山田は糸節村からやってきたという神崎と南川に声をかけられる。
それは「手品を使って村人を騙してほしい」というもの。
なんでも、300年に一度神様が現れて村を厄災から救うという伝説があり、その神様を演じてほしいというのだ。
渋っていた山田だが、報酬と手付金に目がくらみこの件を引き受ける。
その日の夜、大学教授の上田次郎(阿部寛)は学生時代の友人達と飲み会をしていた。
その中の1人が「徳川の埋蔵金を見つけた」などと言い出し、その後トイレで殺されているのを発見する。
『トイレツマル』というダイイングメッセージを残して。
このメッセージを見て上田たちは「汲み取り式便所に財宝がある」というわけのわからない推理のもと、埋蔵金を探し始める。
準備を終え、糸節村に案内された山田。
神崎たちの計画を聞き、それを実行するがすでに村には3人の『神を名乗る男』がいることを村長から知らされる。
本物を見極めるために神候補?4人(山田含む)で対決するように言われる。
※ちなみに、偽物は死刑となる。
一方の上田は、執筆中の本の取材のために糸節村に向かい、偶然山田と合流する。
互いの状況を整理した上で、山田は神候補001番と対決をする。
感想
最初にも書いたアクの強いキャラクターにクスッと笑ってしまう小ネタがいろんなところに散りばめられていて見ていて飽きない。
ちょっと後半は違ってくるけど。
上田のバカっぷりと山田のツッコミをみていると、なんだかんだでいいコンビになっていてくっつきそうなんだけど関係は発展しないところが、今の2人の関係性がこの作品の魅力の1つになっている。
この2人に限らず、ドラマで登場していた人物たちはもう役割がしっかり決まっていて、それぞれの魅力を持っている。
魅力というより笑わせるポイントを持っているというべきかもしれない。
山田の母は書道家で書いている文字で笑わせたり、『文字の力』を信じているせいか変な自信を持っていてとんでもない行動をしたり。
カツラの刑事は村人に「偽物の神」と言われて「偽物の髪」と勘違いして焦り出したり。
その他、村にいた神候補の面々もインパクトが強くて魅力的だった。
メインの犯人探しや謎解きが残念
神候補たちと対決して勝利する山田だが、負けた神候補たちは皆殺される。
しかしその犯人は大したトリックを使っていない、そして犯行理由が納得できない感じになっている。
さらに言うとその犯人のその後も酷い話である。
山田たちは犯人のその後には一切興味を示さないのも微妙。
小ネタや手品の種明かしの方が面白い
神候補たちは様々なトリックで自分が神であることを証明しようとする。
以前失った物の物体化、足の裏の神の目を使った透視能力、トランプの確率操作。
あとは箱の中身の透視と念写。
山田は(上田の協力もあって)それらを全て種明かしをし、自分が即席でそれと同等の手品をしてみせる。
その間にも所々で小ネタや山田たちのやり取りが入ってくるので、この流れがすごく面白い。
そのあとに行われる犯人の犯行と動機の発表は、その内容も後押ししてとても残念。
でもそのあとの村を救うところとか、エンディングの帰り道の山田と上田のやりとりとか面白い話がまた出てくるので、全体的には楽しめるようにできている。
説明しなかったけど、2人の暗号で山田が勘違いした話をエンディングで延々話しているのかと結構好きである。
でもあの暗号、とてもわかりにくくて字幕とかほしい。
短い文章もほとんどわからない。
だから最後まで引っ張ってこれたとは思うけどね。
では、本日はこの辺で。しーゆー!