耳をすませば あらすじ・感想 頑張る人・身近な人に寄せる思い

もう今更な感じもするけど、録画してあった金曜ロードシネマクラブで放送してたのを一昨日見たので紹介。

 

もう知らない人のほうが少ないかもしれないけど、ジブリ作品も好きだよっていう意味も込めて感想をまとめてみる。

 

 

あらすじ

主人公の月島雫は読書が好きな中学3年生。

父親の務める図書館で本を借りると、ある本の貸出カードに『天沢聖司』という名前を見つける。

その名前は自分が読んだ本の殆どに書いてあることに気が付き、この『天沢聖司』という人物に興味を持つ。

 

その後、夏休みに入った雫は友達の夕子に頼まれたカントリーロードの和訳をし、その報告をする。

冗談半分で作ったコンクリートロードも披露して大笑いした後、恋の相談を受けながら帰宅をする。

が、雫は忘れ物を思い出して元いた場所へ急ぐ。

するとそこには、忘れた本を持った男の子が。

声をかけると、本と一緒に「コンクリートロードはやめといたほうがいいぞ」という感想と共に去っていく。

やり場のない怒りと共に帰宅する雫だった。

 

ある日、父にお弁当を届けるために電車に乗ると、そこには太った猫がいた。

その猫が気になった雫は猫を追いかけて電車を降りる。

 

見知らぬ道をすすで行く猫を追いかけると、雫はアンティークショップ?の『地球屋』にたどり着く。

店内に入ってすぐに、雫は机の上に置いてある猫の人形『バロン』を見つける。

バロンに見とれていると店主の西が現れ、バロンのことなどの話を聞く。

 

つい会話が楽しかったせいでお使いを忘れていた雫は急いで図書館へ。

図書館に到着すると、あの忘れ物の本を持っていた男の子が現れ、地球屋に忘れていったお弁当を届けてくれる。

なんで?と困惑している雫に彼はこう答える。

地球屋の店主の西は、自分の祖父であると。

 

学校が始まり、夕子の恋の関係で雫は複雑な思いを胸に地球屋に向かう。

お店は閉まっていたが、あの男の子にお店の中に入れてもらう。

 

そこで雫は、彼がヴァイオリンを作っていること、そして彼が自分と同じ本を読んでいた『天沢聖司』であることを知る。

そして、聖司の夢や目標を知った雫は、自分の生き方に疑問を持ち、そして聖司に思いを寄せるようになっていく。

 

 

 

ジブリ作品としては珍しい

この作品は珍しく『普通』な世界の物語である。

※『おもひでぽろぽろ』もそうだけど、あっちは幼い自分が後ろから現れたりしている分ちょっと違う感じがする。

 

普通な分、雫の気持ちに共感できるところが多く感じた人が多いはず。

中学生や高校生は勉強をしなきゃいけない機関ではあるけど、それより大事にしたいものや「今やりたいんだ!」ってことがあって。

そのやりたいことをうまくできない自分がいるのに、学校にはやりたいことにのめり込んで頑張っている奴がいて。

それが異性だった場合、その子のことが好きになったりする。

(この辺りは少女漫画っぽいから女性のほうが多いかな?)

 

こんな風に登場人物に感情移入しやすい作品はジブリの中では珍しい。

ジブリ作品はファンタジーな世界観とかでワクワクやドキドキを与えてくれるが、この作品は若いころを思い出してジーンと来たりムズムズしたりする。

ジブリはちゃんと恋愛映画作れるんだぞっていうアピールかな?

 

 

音楽会が良い

あらすじで紹介しなかったけど、ヴァイオリンを作っている聖司に雫が

「ヴァイオリンを弾いてみて」

とお願いをする。

すると聖司は

「じゃあお前は歌えよ」

という流れからカントリーロードの演奏が始まる。

途中で店を留守にしていた西が仲間を連れて合流し、演奏会が始まる。

 

たった一曲、それだけの演奏会だけど、緊張した面持ちで歌いだした雫の緊張が徐々に解けてノリノリで歌い、最後にはみんな笑顔。

聖司の名前を知った時にちょっとした言い争いをするけど、その様子を温かく見守る西達の雰囲気もいい。

 

なぜこのシーンがいいかって言うと、雫の書いた歌を聖司の演奏で歌うっていう2人の好きなこと得意なことを合わせたとってもいいシーンなんだよね。

こんなことやってたら好きになるよ。

 

 

 

さっきの演奏シーンのことは一昨日見て気が付いた。

大人になってみると見方が変わるのは本当で、同じ作品は見ないって人はもったいないと思う。

昔見た人も、今観たら前とは違う感想を持つはずだから観てみるといい。

 

でも昔観て「つまらない」と思った人は、もう一度見ても面白く感じないかもしれないから、どっちでもいいよ。