ババドック~暗闇の化物~ 誰にとってのホラーなのか?
ネットの評価で結構怖いと高評価であるとこを仕事仲間に聞き、試しに自分が見てみることに。
前に見た映画に予告が入っていて、気になった作品であったことを思い出し、ちょうど良かったという理由もあって。
低予算で作ったらしいが、各地の映画祭で評判だったらしく、本国オーストラリアの映画祭で受賞もした今作。
評価も高いようなので、一度は見てみても良いかもしれない。
あらすじ
息子サミュエルと2人で暮らすシングルマザーのアメリア。
息子を出産するために病院に移動中、事故で夫を亡くしている。
学校に通いだしたサミュエルだが、彼のせいでアメリアは疲労困憊、心身はボロボロの状態に。
毎晩怖い夢を見たと言ってアメリアを起こし、家の中に怪物がいないことを確認してまわる。
そのあと絵本を読んでくれと頼まれる。
ようやく寝たと思ったら、サミュエルはアメリアの髪、耳、喉などを触ってくるので、彼女は眠れずに朝を迎える。
さらにサミュエルは、学校でも問題を起こす。
度重なる問題行動の末、アメリアは呼び出しを受け、学校を退学となっても、サミュエルは自分の考えを押し通し、癇癪を起こす。
一日中彼に振り回されている。
そんなある日の夜中、いつものように起こされ、家を見て回り、絵本を読むことに。
すると、見たことのない本を持ってくる。
不審に思いながら読んでいると、それは『ババドック』という怪物がやってきて、子供の中に入り込むという不吉な内容。
しかもそれは、途中から白紙となっている。
気味が悪くなり、後日タンスか何かの上に隠すアメリア。
そして絵本を読んだあと、息子は何かを意識しだし、何かにつけて「ババドックが来る」と言ってくるようなる。
「そんなものはいない」と彼をなだめるも、癇癪を起こされる。
だがある夜、アメリアが寝ていると、彼女のもとにも『ババドック』が現れる。
大体半分、省いた部分があるけど。
正直怖くはない。
そして疑問に思ったのは「これはホラーか?」ってこと。
色々なことが起こってアメリアの行動に変化が現れるが、これの半分は育児ノイローゼだろって話になる。
それとサミュエルを否定する気持ち。
最後で明かされる部分なので深く言わないが、結局息子という存在はどういったものなのか。これを認識するのがこの映画のキモになる。
個人的な評価としては、アメリアとサミュエルの演技がすごい。
とくにサミュエル。
あの子の煩わしさや怖がり方はすごいなぁと感心した。
アメリアのボロボロになりながら頑張っている表情、後半の壊れっぷりもすごい。
あと絵本の出来はとてもいい。
あの絵本、書いてある内容がアレだけど、雰囲気あって作りはとても好き。
作中で2回しか出てこないのはもったないと思った。
あの絵本を使って、もっと恐怖を引き立てることはできたはず。
途中で出てくる、アメリアに好意を抱いているっぽい男性がいたが、登場3回で使い捨てのように出てこなくなる
これももったなくない?
折角登場するんだし、物語に絡むことができたのでは?
被害者になってもいいと思うし。
やっぱりホラーとしてみてしまうと残念な映画。
化物とかの怖さではなく、人間の怖さを見る映画ではないか。
低予算で作った割にはクオリティは高く、その辺は個人的に高評価。
では、本日はこの辺で。しーゆー!