K-PAX 光とともに現れた男の正体とは?
SFなんだけど、どっちかっていうとヒューマンドラマといってもいい。
精神病患者と診断された不思議な男の正体を知るために、医師が変わり、生活を共にした他の精神病患者たちの心・病状も変化する。
見た人の考え方によって、この物語の核心が変わる、なかなか面白い作りの映画である。
ゆっくりと話が進んでいくので、変化がないと面白くないというお子様は見ないことをオススメする。
あらすじ
ニューヨークのグランドセントラル駅、たくさんの人が行き交う中、この駅の天窓から光が差し込む。
するとそこに一人の男が現れる。
その横で女性がバックをひったくられて転んでしまう。
男は女性を起こそうとして近づくと、近くにいた警官が駆けつけ、男は犯人と間違えられてしまう。
彼は警官に名前、出身を聞かれるとこう答える。
「私の名前はプロート、遥か1千光年彼方のKーPAXという星から『光エネルギー』に乗ってきた」
真面目に話す男の内容を警官は信用せず、プロートは精神病院へ送られる。
プロートは送られた病院でも同じ話をする。
担当した医師パウエルは何度も二人でカウンセリングを行う。
最初はプロートを妄想癖の男だと思っていたが、話を聞くうちにプロートの話す故郷KーPAXの内容が気になり出す。
星の位置関係などの話は、妄想にしてはとても詳細に説明できるのだ。
パウエルは天文学者の義弟に頼み、天体に関する問題集を用意させる。
これをプロートに解かせて彼の知識を否定できれば、症状が改善されるかもしれないと考えたからだ。
だが実際は彼の知識は本物で、KーPAXの存在を確かなものにさせた。
※正確にはとある学者が最近発見したばかり論文などはまだ無く、世間には存在が広まっていないとのこと。
この学者が逆にプロートに興味を持ってしまい、彼は学者の質問に難解な数式を示し、KーPAXとその周辺の星の位置関係や軌道を正確に表す。
学者たちが騒然とする中、プロートは「KーPAXでは子供でも知っている常識」と答える。
さらに学者たちが、彼が地球にやってきた方法『光エネルギー』について質問するが、「地球人が今の科学力では理解できない」と答える。
このやりとりを見て、パウエルはプロートが宇宙人かもしれないと思い始める。
その後のある日、プロートはパウエルにこう告げる。
「7月27日にKーPAXに帰る」と。
大体半分。
あらすじの中でプロートの不思議な行動、考え方を表現できていないのでちょっと申し訳ない。
というかかなり長くなってしまうのでまとめられない。
パウエルとプロートの会話は結構多く、そのやりとりは面白くて好きだった。
この映画の見所は、プロートが何者なのかってところに尽きると思う。あと本当に故郷に帰るのか。
これは見た人しか答えが分からない。
当たり前のことを書いている、と思うかもしれないが、これが答え。
彼が精神病患者か、異星人か。そしてどうしたのか。
最後まで見れば、納得の答えが待っている。皆それぞれ。
最後の方で、患者たちがプロートのことをしっかり認識していた事が分かる会話がある。
状況は説明しないのでわかりにくいと思うけど、外見ではなく中身を見ているという事が分かる。
「プロートはいない・・・」とか「誰?・・・」といったセリフが印象的だった。
彼はいるのにね。
パウエルが最後まで彼と一緒にいるシーンには感動した。
パウエルに限らず、プロートに関わった人が癒され、変わっていく変化がわかる、いい映画だった。
では、本日はこの辺で。しーゆー!