THE HOST 美しき侵略者 どちらが正義かな?

特に予告とかの前情報なしでパッケージで興味を持った作品。

侵略者なんて付いているから結構派手なものかと思ったけど、そんなシーンは殆どないので、観る人を選ぶかもしれません。

 

自分はとても面白く観ることができました。

世界感や見せ方も上手だったと思う。

 

 

あらすじ

 

近未来の地球が舞台。

そこでは、戦争、貧困、病気、環境などありとあらゆる問題が解消されてまさに『完璧』な世界。

 

しかしそれは人類が作り上げたものではない。

それを作り上げたのは地球外生命体『ソウル』。

 彼らは人体に入り、乗っ取る。

それがほぼ全人類がそうなっている状態の地球が『完璧』なのである。

 

そんな中、ソウルに囚われた女性メラニーはソウル(ワンダ)を入れられる。

ソウルは、未だ隠れている人間たちを捕まえて宿主としたいため、メラニーの記憶をワンダに探させる。

 

すると、本来消えてなくなるはずのメラニーの意識が残っていてなかなか集中できない。

そうこうしているうちに、ワンダは人間に興味を持ち、そしてソウルのやり方に疑問を持つ。

そしてメラニーに唆されるかたちで脱出し、メラニーたちが隠れていた場所に向かう。

そこにはメラニーの記憶の中で見た弟と恋人の姿があるが・・・

 

 

この映画は侵略されるところではなく、ほぼ侵略が終わったところから始まる。

先ほども書いたように、それによって平和な世界が作られている。

正直、今の人類がそれを成し遂げたと言われるより、宇宙人がきて管理していると言われた方が納得できるのは自分だけだろうか?

 

今作の主人公はソウル(宇宙人)の方で、人間と侵略者の2つの心を共有して、どちらかというと人間に振り回される。

この主人公の設定もなかなか新しくて面白い。

この二重人格みたいなのが原因で人間関係が複雑になる。

まぁ、複雑といっても恋の三角関係とかがメインになってくるけど。

当然、ソウルのことを人間は嫌うわけで、風当たりがきつかったりもするけど、それでも人間のために行動するワンダの魅了は大きく、徐々に打ち解けていくのも納得できるし、自分も魅力的に感じた。

 

そもそもワンダは、困った相手を無視できない。

ソウルは、争いを克服した種族なので、人を疑うことをしないのだ。

実際、ワンダ達が逃げ出したとき、車を奪うのだが、ワンダは「急用がある、車を貸してくれ」というだけで運転手は車を差し出す。

相手はおまけに「手伝えることはないか」とか、「燃料は満タンだよ」とかワンダの心配をする。

そんな感じで、時々ソウルは人間に騙されて痛い目にあう。

ちょっと人間が悪いものに見えてくる。

 

別の観点でみると、この世界にはお金など存在しない。

スーパーに行くと、店員らしきものはいるがレジはなく、みんな品物をそのまま外に持ち出していく。

店員は笑顔で見送るだけ。

 

実現することのない平和な世界だが、それを作った種族の魅力を感じるシーンがたくさんあった。

逆にこの作品の魅力の全てではないか、とも思う。

 

他にも恋愛要素とかもあるけど、ちょっとワンダが可愛そうだったかな。

キスの制限が酷くてちょっと面白かったけど。

人間の愛情表現を体幹することで気持ちの変化が大きかったとは思うので、無くてはならない話なのはわかるけどね。

 

終わり方は少し綺麗すぎると思ったけど、でもあんな感じの可能性があってもいい。

 

 

 

では、本日はこの辺で。しーゆー!