ドント・ヘルプ あらすじ、感想(ネタバレ) 助けるな!ではなく関わるな!

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D.R. (C) NOVILUNIO PRODUCCIONES S.A. DE C.V. Mexico 2018 

 

とある上院議員の家に強盗に入った姉妹3人が巻き込まれる?ホラー映画。

まぁ強盗に入っている時点で自分たちも悪いということになってしまうけども。

ホラー映画なんだけどそんなに怖くない本作。

理由は後で説明するとして、なんとなく観てみようって人はそこを読んでみてほしい。

「あ、これならいいや」

って思ってしまう可能性が高い。ホントに。

珍しいタイプの作品なんだけどね…

 

一応、ラストまでは書かないけどちょっとだけネタバレ要素アリで。

どんな映画かをまとめるには、どうしても最後のほうまで触れないとこの映画を紹介できないので。

 

 

 

 

 

予告


映画『ドント・ヘルプ』予告編/現代ホラー映画界の帝王イーライ・ロスが認めた新進気鋭監督最新作

 

 

あらすじ

カミラ、マリア、アニータの3人は、上院議員ホセの家に忍び込む。

(アニータは車で待機)

 

事前に得た情報をもとに金庫を発見し、お金をもって帰る。

誰も傷つけずにお金が手に入る簡単な仕事のはずだったが、金庫の中にお金がない。

カミラ(3人とも?)はお金を持ち帰らないと殺すと脅されていたためこのままでは帰れないとホセと妻を捕らえてお金を出させるが、情報よりも金額が少なかったことから屋敷内を探索する音に。

 

すると、地下から物音が聞こえたため様子を見に行くカミラ。

ホセたちが必至に止めるのを聞かずに地下に向かうと、ベッドで拘束されている少女を見つける。

一人では運べないためマリアを呼び少女を車椅子に乗せる。

 

ホセたちの前に少女を連れていき、彼らに罵声を浴びせるカミラ。

その最中、突然少女が忽然と姿を消してしまう。

少女を連れ出すために車を家の前まで移動させたアニータも一緒に少女を探す。

手分けして探していると、アニータが少女を発見する。

この時マリアはこの家に無いハズのあるものを見つけて、カミラは鏡に映る自分を見て2人は思い出したくない過去が蘇る。(過去の内容は父の体罰

 

マリアが過去のことを思い出していると、アニータの悲鳴を聞く。

急いで声が聞こえた方に行くが誰もいない。

心配になって探し続けるマリアがアニータを見つけたのはバスタブの中。

足を抱えて、震えながら

「彼が教えてくれた、お母さんは悪くない、悪いのは自分、生まれてきてはいけなかった」

と話す。

 

様子がおかしいアニータを保護するためにカミラを探すマリアは今度はカミラの悲鳴を聞く。

カミラのもとに向かうと、そこには首を吊ったアニータの姿があった。

 

 

違う意味でまさかの展開

泥棒が忍び込んだ先での恐怖の体験、こんな感じの展開だと幽霊がいたとか住人が狂人だったとかそういった展開だと思っていた。

まさか悪魔祓いのストーリーだったなんてね。

少女がベッドに拘束されている時点でそれっぽいと思う人もいるかもしれない。

さっき書いた幽霊とか狂人の話を見たかった人にはガッカリしてしまうだろう。

 

それと、最後の悪魔祓いでマリアの立ち位置が目まぐるしくてついていけなかった感はある。

子供のころを見る、死んだ父との和解、立場の逆転等々。

あんなに詰め込まなくてもいいんじゃないかね。

彼女の宗教との向き合い方が変わるところを見せたかったとしても、個人的には見せ場である悪魔祓いにもっと力を入れてもいいと思う。

 

 

怖い映画ではない

悪魔祓いとホラーってちょっと別物って感じがする。

悪魔祓いは怖くないっていうわけじゃないんだけど、特にこの作品の悪魔は襲ってくるではなくて弱みに付け込んでくるタイプ。

更に、悪魔に取りつかれた少女を通して悪魔がしゃべっているシーンばかりなので、悪魔に追いつめられるといった怖さがない。

一緒に見ていた嫁も「アニータが死んだくらいから怖くなくなった」とがっかりしていた。

 

 

それぞれの信じるもの

あらすじで『父の体罰』とあったが、これは父の厳しいキリスト教へのこだわり。

カミラとマリアはこれがきっかけで神を信じていない。

 

そしてホセ達夫婦も娘を救いたいと願いながらある隠し事をしている。

 

神を信じられない姉妹が強盗に入ったのは神を信じて縋る夫婦の家。

最初はこんな構図だったのに、最終的には真逆になっているのはちょっと面白い。

 

助けを求めた夫婦と、悪魔に打ち勝とうとするマリアの目指す悪魔祓いの結末は、次にまとめてみた。

 

 

ラストシーンの捉え方

最後に法王となって登場するエクソシスト

他の人は彼を見て『父親』の面影を感じるという人がいたけど、あれって悪魔に負けてしまったんだと思ったけどなぁ。

結局、悪魔は計画通り法王になってまだ存在していて、それに気が付いたマリアが恐怖している。

法王(エクソシスト)が悪魔を宿した少女と同じクセ(唇を嘗め回す)をしてるし、あれはあの状況(あるいはの先のことを考えて)を楽しんでいるように見えたんだけど。

 

結果、少女がどうなったかは見せてくれないから両親がしたかったことは多分こうだったで考えないといけないところは残念。

そこら辺はどうなったか分かるようにしてほしい。

一応重要人物だったわけだし。

 

 

 

前半と後半で作品の雰囲気が変わってくるので、それを楽しめれば面白いと思える…かもしれない。

いや、メインは悪魔祓いの方を楽しめるかどうかだね。

個人的にはそのシーンも物足りなかったから微妙な感じだったけど。